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映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~のカポERRORのレビュー・感想・評価

4.4
「一言も台詞を発さず、文字による説明も行わずに、誰にでもそのストーリーを正確且つ分かりやすく伝えてくれるエンタメ映画は?」と聞かれたら…あなたは何を思い浮かべるだろうか?
『WALL・E/ウォーリー』?
なるほど。
確かに私もお気に入りの作品だ。
だが、極上の笑いと感動を両立した、無声・無文エンタメ作品のマイベストは、間違いなくこの『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』である。
「は?Eテレでやってるゆるキャラのあれ?草w」
…とか言ってるそこの御仁。
騙されたと思って一度鑑賞されたし。
エンドロール後、私の前にひれ伏して、「ごめんなさい、ごめんなさい…」と涙ながらに懺悔することだろう。

この作品の最もセンセーショナルな点は、誰もが知っているあのスローライフなTV版『ひつじのショーン』とは全くもって別物の、超ド級冒険活劇エンターテイメント作品である点に他ならない。
そこには、あののどかでユル~い笑いは一切存在しない。
極悪非道な敵、スリリングな逃亡劇、血湧き肉躍るバトルシーン…全てが未体験“ショーン・タイム”なのだ。
魅力的なのはショーンだけではない。
ビッツァーも名脇役っぷりを遺憾無く発揮しているし、おちびのティミーも狂おしいほど可愛い。
そして何より…ひつじ達の牧場主への深い愛…あの夜空にこだまする歌声(ハミング)…涙腺崩壊しない奴がいようか?否!
例え冥界の閻魔であろうと、己の涙で水責め地獄を味わうこととなるだろう。

とまぁ、好き放題書いておいて心苦しいのだが、本当のところは、本作同様、野暮な台詞や説明など一切無用だ。
百聞は一見にしかず。
未見の方は、とにかく是非に御鑑賞頂きたい。
真のショーンに刮目せよ!
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