TaiRa

映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~のTaiRaのレビュー・感想・評価

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アードマンの映画で一番好きだな。『ひつじのショーン』って実質サイレントなのね。

牧場主を乗せたトレーラーハウスがどんどん転がって暴走しちゃう流れずっと最高。ビッツァー急いでる時も二足歩行なんだって思った。サイレント映画マナーに則ってギャグの作りが視覚的。羊が柵を超えると眠くなるってお決まりとかバカバカしくて好き。カメラを引いた時に笑いが生まれたり、切り返しで笑いが生まれたり、基本的にカット割で笑いが作られてる。都会に行ったら標識に「都会の真ん中」って書いてるのもかわいい。ショーンたちと保健所のヤバい捕獲員の追走劇も楽しい。変装してレストラン行く場面のギャグとかマルクス兄弟みたい。保健所の刑務所パロディだと、ずっと睨んで来る目バキバキの犬が最高。あの犬のオチも刑務所ネタとして気が利いてる。ビッツァーが病院に忍び込んだら医者に間違われて手術する羽目になるくだり爆笑した。記憶喪失の牧場主がカリスマ美容師になっちゃうシークエンスくだらなくて好き。ファッション誌の表紙でヌードやってたり。やっと見つけた牧場主にショーンが追い払われて泣いちゃうとこ切ない。高架下のゴミ溜めで歌うとこと、その歌に耳を奪われる牧場主の位置関係の見せ方とか良い。クライマックスのしょうもない救出アイディアとチェイスの迫力が楽しい。最後は『黄金狂時代』オマージュの崖っぷちネタ。牧場主の記憶蘇るとこも泣ける。
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