木村建太

やさしい人の木村建太のレビュー・感想・評価

やさしい人(2013年製作の映画)
3.7
「映画」って感じ。「芸術」って感じ。「映画理論」に基づいている感じがにじみ出ている。退屈だ。金を払って退屈を買って途中寝ちゃったりするこの感じを愛してはいる。でも「アバウトタイム」をみときゃ良かったという気持ちもぬぐいされなかった。「アバウトタイム」は多分確実にすごく楽しいからだ。タイムスリップもすると聞いている。恋の話でタイムスリップするなんて楽しいに決まっているのだ。でもいいのか?楽しいだけでいいの?俺たちは常に成長し続けなければいけない。たまには理解しがたいキャッチーではないインテリジェントな映画理論にぶち当たって苦悩したりするべきではないのか?「芸術ぶってんじゃねー」と一蹴していいのだろうか?自分の生活に関係のない知識や理論はすべて無駄だし、知らない、そういった態度が反知性主義を生み出し、そういう人々が時にファシストに騙されるんじゃないのか?「アバウトタイム」を観ているやつらのせいで日本は戦争になるのだ。本当に俺はこの映画をみてよかった。退屈だし途中で寝たけど、絶対にファシストに騙されることだけはない。ありがとう「やさしい人」。ありがとう、ギョーム。こんにちは、世界。
木村建太

木村建太