真魚八重子

夜の片鱗の真魚八重子のレビュー・感想・評価

夜の片鱗(1964年製作の映画)
3.0
成島東一郎の撮影が、暗いのに五色の光が線を描いて色鮮やか。物語はさほど珍しいものではなく、おぼこい芳江(桑野みゆき)がヤクザの北見(平幹次朗)に騙され、売春をさせられるというもの。フケたときの懲罰が、全員入墨の賭場に放り出されて、集団暴行されるのが、ものすごく怖い。
この北見は彼女を愛しつつもヤクザの矜持があり、芳江が愚痴を言うと殴ったりする。賭け事が好きらしく、たぶん組から金を借りてるようなありさまで、芳江は街頭に立つしかない。
そんな彼女に本気で恋した青年が、転勤先へ一緒に行こうと言ってくれるが……。

結構安易なオチながら、カメラ位置や照明で観られてしまう。こういう女性は刑期を終えて出てきても、また同じような男とデキて、また街娼から、ちょっと人のいい男とデキたら小料理屋とかやって、生きていくんだろうなと思う。
真魚八重子

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