ねぎおSTOPWAR

傷だらけのふたり/恋に落ちた男のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.5
《ファン・ジョンミン映画》ってくくりで言うと、これは傑作のうちの1本かな。それくらい良かったです。
彼は今作のテイルのような《純で不器用な男》を演じるのは得意なはず。
そんな中でも今作は相手役ホジョンのハン・ヘジンとの相性がいいのか、ファン・ジョンミンの良さが目立った感じを受けました。例えば「ユア・マイ・サンシャイン」だとチョン・ドヨンさんの演技の濃さがぶつかるというかね。いや、良いんですよ、とっても。でもファン・ジョンミンのことだけ考えると、今作は彼がストレートに出てきますよね。もちろんストーリーの問題もあるのでしょうが。


ハン・ヘジンさんは役柄上振り回されて振り回されて、最後に色々知ることとなり・・・で泣きのお芝居見事でした!
また、周辺がね、豪華でしたねー。
折り合いの悪い兄貴がクァク・ドウォン!
上司がチョン・マンシク!
この二人は相反する内面を見事に伝えましたね。
そして理髪店で絡むヤクザにパク・ソンウン!!わたし的には出オチでしたw


やっぱり韓国映画を下支えするのは豊富な役者陣かなと。ある程度決まった人で回しているのは確かだけど、みなさん大学の演劇科卒だったり舞台経験者だったりね、つまり人口が日本の半分なのに演劇科のある大学の数がそもそも違う。日本は演劇を体系立てて教える組織が少なすぎるんですよね。映画・映像系の学部学科の数もそう。断然韓国が優位。政府がそこに積極的だったかどうかが大きいですね。ま、韓国も朴槿恵政権時は映画産業が相当圧迫されましたが、跳ね返しましたもんね。韓国のメディアに忖度はない。司法と警察と検察が忖度するだけ。日本は忖度国家なんだよなーw


この映画、一言で言うと黒澤明「生きる」のファンジョンミン版って感じかしら。なんとも切ない良い作品でした。



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