りょうた

自由が丘でのりょうたのネタバレレビュー・内容・結末

自由が丘で(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

加瀬亮が出演するホン・サンス作品。平穏と不穏のはざまで揺れることの緊張感をホンサンス作品には感じる。森(加瀬亮)とサン・ウォン(キム・ウィソン)、韓国在住のアメリカ人が三人で飲むシークエンスは、ひとつの良い例だ。森は恋をした韓国人女性を求めて韓国にやってきたが、消息がつかめずに数日を過ごしていた。対してアメリカ男性は韓国人妻と幸せな生活を送っている。おまけに綺麗だ。酒による悪酔いによる妬みからか次第に森はアメリカ人男性へのあたりが強くなる。そして、ある種下品な形で男性の妻を容姿を褒める。勝手な予想ではあるが、このアメリカ人男性は実際に韓国人の妻(一瞬映った彼女だと思うが)がおり、自分自身として出演している。その現実と虚構のはざまに対して加瀬亮演じる森はずかずかと踏み込んでいく。すると次第に男性の顔は笑いながらも笑い切れていない、怒りのようなものが垣間見え始める。そう感じさせるほどの信憑性が身体に宿っている。家出娘(チョン・ウンチェ)とサンウォンの喧嘩も平穏と不穏のはざま、また平穏から不穏への唐突な移行が示される。その振れ幅に良い意味で眩暈がする。キアロスタミの『ライクサムワンインラブ』もそうだが、加瀬亮はどこか狂気じみた役柄を任されている。
●時系列が少し複雑。過去から現在へ、現在から過去へ絶えず行き来する
●吉田健一『時間』講談社文芸文庫
●食事シーン 食べさし 食べ残し 会話ができないから
●タバコ!タバコ!タバコ!
●ズームイン/ズームアウト
●「日本人」「韓国人」という抽象的な括りで判断するのではなく、個人として向き合おうとする姿勢。
りょうた

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