chika

自由が丘でのchikaのネタバレレビュー・内容・結末

自由が丘で(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

二回観た。

一回目の感想は世界観が素敵。加瀬亮が素敵。
そしてみんな片言英語を話してて可愛い。
片言だからこそ言葉がシンプルで伝わりやすいし、一生懸命話したり聞いたりするから、人に優しくなれる。
素朴な韓国の街と片言の人間関係が何となくマッチしていて、そこが好きだと思った。

二回目の感想、というか気づいたことは、映画の中で時間軸が行ったり来たりしている理由。
それは映画自体がクォンが読むモリからの手紙の回想になっており、冒頭で彼女が手紙を落としたことで、手紙の順番がぐちゃぐちゃになってしまっていたからである(ここもなぜ手紙を落とした?と思っていたが、病明けでよろめいたのか!と二回目で気づいた)。
その証拠に、場面が変わる前には必ずクォンが手紙をめくるカットが入っている。

普通は初見で気づく仕掛けかもしれないが、二回目に気づいたので驚きが大きかった。

モリが時間について語る場面や、「時間」という本を読んでいたりする点から、この作品は「時間」との関係性が強いようである。
「時間の流れに沿って生きる必要はない」というモリの言葉は、難しいようでシンプルな言葉だ。

「何している時が幸せ?」
「花を見てる時かな」
というゲストハウスのオーナーとモリの会話が一番好きな場面。
たった一時の関係性にしては深い話題なようだが、自然と重くはない。

光の差し込むゲストハウス、風の抜ける小道、小洒落たレストラン、涼しいカフェ。
たった1時間の映画なのに好きな場面がたくさんあった。
良かった。
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