migihidari

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのmigihidariのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

なぜか2時間弱泣きっぱなしで鑑賞

近しい誰かを失って、何かのバランスが崩れてから、自分とそれ以外の世界を見つめ直していく話?
心に空いた穴がブラックホールみたいに外の世界を吸い込んでいって、今まで興味がなかった生活のなかのあれこれの存在、名前や顔を知らない誰か(バスで顔を会わせるだけの誰かや、苦情を送った先のカスタマーセンターの誰か)ももはや他人ではないことに気づいていくような、それでも他人は他人で心の底から分かりあうことは到底できないと思い知るような
ハンドカメラ(風の演出?)の手ぶれする映像が主人公の距離をより近く感じさせる気がしました

なぜ邦題はここを切り取ったのだろう、という奥さんのメモの一文(車のサンバイザーに挟んである=晴れていたらメモが見つかる、というユーモア? 作中には他にもいろいろ出てきます)は、主人公が肌身で感じてた奥さんの「いいところ」「素敵な一面」の象徴なのかな、と
全部は分かり合えていなくても、所詮は他人であっても、思い出して愛おしく恋しく、涙を流すところからやっと時間が動き始めるのでしょうね

思春期の少年と主人公が繰り広げる夢のマイホーム大破壊が絵面的にエモくていい…
エンディングテーマにオーバーラップする「Warmest regards(手紙の結び文)」も沁みました 陳腐な感想になっちゃいますが、誰かに向けて文章にしてみる、はセラピーの王道でもありますよね
migihidari

migihidari