このレビューはネタバレを含みます
彼の決断が正しかったのか私にはわからなかった。
彼女ならこの先どんな事があっても彼を支えたかもしれない。でも不安定な未来を愛する人に共に歩ませるのではなく、彼女の人生を大切にする事が彼の愛情だったのだろうか。
自分のための死という決断に、彼女の為という理由が加わった事で、彼は心置きなく逝けたのだろうか。
ただのラブストーリーとして観ると良いのかもしれない。
※追記
人は死ぬ瞬間を選ぶことはできないが、彼はその瞬間を自ら選ぶことにした。希望を与えてくれる女性に出会っても、それでもその選択を変えなかったことがずっと気にかかっていた。見返して思ったのは、本当は死ぬ瞬間を選ぶことは彼にもできていなかったと言うこと。
誰もが羨み憧れる人生を生きてきた彼にとって、誰かの助けなしでは生きてきけない身体になってしまったことは、その時点で彼にとっての死であるということ。たとえ素敵な女性と出会ったとしても彼の死自体は変わらない。そこに居るのは彼自身であり彼ではない。別の自分として生きるのであれば彼女と幸せになれたのかもしれないが、本来の自分を捨て去ることはできなかったのだろう。
恋愛映画として観てもまあ面白いが、彼に焦点を当てると恋愛映画ではない面白さがあった。