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クリムゾン・ピークのinoriのネタバレレビュー・内容・結末

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

デルトロ監督作品は例外なく美しいものと醜悪なものが共存している世界だけど、この作品もまさにそう。

醜悪なものを美しく撮れる人というか、なんというか、、

イーディスが着ているお洋服が全てほんっっっとうに美しい可愛い好き。

ホラーは見られなくてもこれは大丈夫、幽霊は出てくるけどホラーじゃないので。

前半のイーディスの美しさ、無垢感は素晴らしいし撮り方もさすが!

後半蒼白になって乱れつつ、殺すか殺されるかの女同士サバイバル鬼ごっこをルシールとするところもデルトロ監督の趣味が出ていて良いです。

小説家としての女性のやりづらさの描写、イーディスの強さ頑固さ、それからラストのバトルを女性2人で撮り切り男性に守らせなかったところ、そういうところがデルトロ監督作品の好きなところです。

シェイプオブウォーターでも思ったけど、デルトロ監督は物事や世界をフラットに見られるし社会を鋭い視点で捉えしっかりメッセージを伝えてくる、でも一方で何かに取り憑かれてるような人の狂気とか激しい感情もぶっこんでこれる、でそれを世界観の芸術性、幻想性、耽美性で美しい芸術作品に仕上げているので本当にすごい。

トムヒとルシールの目の青さもとても美しいです。

演出でドキドキさせてはいるけど出てくる幽霊がなぜか怖く感じないのは、イーディスの味方だからなのかクリーチャー的だからなのか可哀想だからなのか、、

虫(特に蛾と蝶々)がいっぱい出てくるので苦手な方はお気を付けて。

お医者さんの彼がいることで見ているこちらとしても救いがあるしその後もなんとなく安心できるよね、、

細かいところは色々と突っ込みどころがありつつも、そういうことを考える映画ではないと思っているのでよいです。
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