ジョー・コッカーの「You are so beautiful」をこの映画で知った。切ない、いい歌だ。
同じマフィア映画「ゴッドファーザー」のコルリオーネ家は麻薬取引にかかわることを毛嫌いしていた。
その頂点を演じたアル・パチーノが、本作では元麻薬王を演じている。
同じマフィアでも出自や成り立ちが全然違うのが面白い。
ただ共通点もあって、ゴッドファーザーでも本作でも主人公は「マフィアになりたくてなったわけじゃない」という点が同じだ。
マイケルは実家がマフィア、かたやカリートはそもそも出自が卑しく、マフィアになる以外の選択肢がなかったことが作中で示唆されている。
マイケルは堅牢な組織や豪邸に守られているので身を危険に晒すことはほとんどなかったが、カリートは不安定な力関係の中でギリギリを生きている。マイケルもカリートも堅気になることを目標としているが、描かれる結末は全く違う(違う映画だから当然だ)。
ゴッドファーザーとカリートの道で、アル・パチーノが同じ俳優に見えないのが面白い。カリートの方が野性的で、どこかリアリティがある。
終わったあと、しばらく「You are so beautiful」が頭から離れないこと請け合い。