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ギヴァー 記憶を注ぐ者のmitoのレビュー・感想・評価

ギヴァー 記憶を注ぐ者(2014年製作の映画)
3.0
ヤングアダルト小説原作。
生活の全てが管理されている世界で、記憶の継承者となった主人公が今の管理社会に疑問を持ち反乱を起こす。

まあ、本筋はよくある話。
それこそリベリオンとか最近のヤングアダルトモノと殆ど同じ。

この映画がそれなりに楽しめるのは、話の進め方と、構成が上手いから。
記憶の継承を行う前任者から徐々に封印された過去の記憶を受け継ぎ、
まず、世界の色彩を取り戻す。
ここを冒頭からの白黒映像からカラーへ転換する事で表現するアーティスト演出が印象的。

踊りや歌の記憶から娯楽の楽しみを取り戻し、家族に警告されつつも身近な人とこの気持ちを共有したくなる。

最後に愛や喪失の苦しみのような感情を取り戻してゆき、この世界のおかしいと感じていた点が確信へと変わる。

ここまでの過程がかなり丁寧に描かれるため、話への没頭感は他のヤングアダルトモノよりある。

じゃあ良作かというと、肝心のSF要素というか、その記憶の設定がガバガバ。ラストに何でそこ突破するとそうなるの?ってのは観終わった今でも疑問。
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