ぽん

コングレス未来学会議のぽんのネタバレレビュー・内容・結末

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ポール・ジアマッティで検索してたらこんなのが出てきたので観てみました。アリ・フォルマンという監督さんのことを何も知らずググったら「戦場でワルツを」(2009)の方でしたね。(←未見だけどアカデミー賞でノミネートされてたのは覚えている)

俳優のビジュアルをデータ化してCGにしてしまうって、まさにこの問題でついこの間までハリウッドでエキストラ俳優たちがストライキやってましたよね。2013年の映画でもうそこを突いてたのか。
役者という仕事は人々に夢=虚像を売るもの、であれば科学技術の進歩でそれを人工的にやってしまえば、もうお騒がせ俳優なんか要らないよねっていう近未来の話。ロビン・ライトがロビン・ライトとして、CG化契約を結ぶ旬を過ぎた女優を演じている。こういう自虐というか、自分自身を冷笑するような物語を堂々とやってしまうところがカッコイイ。知性を感じます。

このプロットだけでも面白いのに映画はさらに未来に進む。もう与えられる虚像なんて要らない、クスリを飲めば自分自身が虚像になれちゃう、自分の望む人物として過ごしているという幻覚を見続ける、そんな世の中になってしまう。ちょっとマトリックスっぽい、皆が皆ドラッグでトリップして幸せ~という、ユートピアなのかディストピアなのか分からない世界が描かれます。しかもこの辺はぜんぶアニメ。内容的には未来だけどアニメーション自体はものすごくレトロチックなセル画アニメなので、なんともヘンテコなテイスト。サイケデリックな雰囲気もあってモンティパイソンを思い出した。

うーん、なかなかの不思議体験でしたね。アニメ世界でトム・クルーズが出てきたのは笑った。名前なんか出さなくてもひと目で分かる(フライトジャケット着てニカッて笑ってる)。なによりハリウッド代表、虚像代表のイコンとして機能できちゃうのが、この人の素晴らしいところ。最後のスターじゃないかと思ってしまう。良くも悪くも時代がそういう圧倒的な存在を認めなくなってきている気がして。
同様にマイケル・ジャクソンが意味なく姿を見せるのも、やっぱりエンタメ界の虚像として触れずにはおれない存在なんだろうなーと。そう言えばマリリン・モンローもいたな。

そしてお目当てのポール・ジアマッティはフツーな感じでした。(なにそれ)
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