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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイションのisopieのレビュー・感想・評価

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2015年9月18日(金)ユナイテッド・シネマ豊洲

4DX・2D版での鑑賞(4DXの2Dとは矛盾していないだろうか。どうでもいいことだが)

レベッカ・ファーガスンの顔をこれだけ長く観つづける映画だったとは。

ウィーンのオペラ会場の暗殺は『知りすぎていた男』、中盤のミッションの舞台がモロッコはカサブランカ、最後はライバルシリーズ・007のお膝元ロンドン。シンジケートの首魁に追われてハントが街を逃げるところはちょっと『第三の男』を思わせる。コート姿のレベッカ・ファーガソンがナイフを手に男と斬りあう場面は『外套と短剣』ということでしょうなあ。

映画史をしっかり踏まえた舞台やシチュエーションの設定は心憎いが、だからといって、ものすごくおもしろくなるかというと、そういうわけでもないのですね。

ジェイムズ・ボンドが自分探しの旅に出ているあいだに、イーサン・ハントは荒唐無稽に徹したスパイ活劇に邁進している、といいたいところだが、そう手放しには喜べない。

消息不明のハントがキューバに現れた?というくだりで、トム・クルーズがカストロ髭を生やしていたのには、くだらなさに笑ってしまった。

4DXはバイクチェイスでとても効果を挙げていた。

53歳のトム・クルーズは今回も驚異的までにビルドアップして、献身的なアクションをみせる。アクションスターとしての彼は当分安泰なのではないか。そのモチベーションを維持する源がサイエントロジーだったとしてもええじゃないか、ええじゃないか。

エンドクレジットをみると、今回もコダックのフィルム撮影の由。このいまでは稀少になった、いかにもフィルム撮影ならではのルックが、ほんとうに映画を観ているという気になる、という感想は古いかな。このシリーズはずっとフィルム撮影をつづけてもらいたい。
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