くりふ

パラサイト・クリーチャーズのくりふのレビュー・感想・評価

1.5
【みんな食べたらみんな仲間だ】

これついこの間、「ワールド・エクストリーム・シネマ2014」の一本として上映されたやつですね。もうDVD化されたんだ。怪しかったので劇場は行きませんでしたが、珍しくオースリア産モンスターホラーだし、どんなエクストリームかいとみてみました。

…前半シャープで後半ぷしゅー…(空気抜け音)。

制作費の大半を怪獣の頭づくりに使っちゃったみたい。

世界が暖かくなり氷が溶け出しさあ大変。ここアルプス山中の観測基地にも気象調査隊が陣取ります。ところがある日、山に行くと氷河が血のように赤く染まってさあ仰天。さて血の氷河から現れたものは…。

要は、オーストリア版『The Thing』。本国では当たったそうだがホントかいな? 私は山知らずなので、舞台がどれほど高地かはわかりませんが、このロケーション自体は冷たい空気、鋭利な画面で見応えあります。

そこに被さる赤い氷河。禍々しいビジュアルイメージは素晴らしい。

役者さんも、始めオジオバだけで萎えたものの、途中から美人さん3名加わるし、皆キチンとした演技するし、犬もいるし、途中まではなかなかのもの。

んが、現れた怪獣さんがね…。

CGに頼らず、役者に実物大モデルをぶつける志は買いたいのですが…頭だけなんですよ。

例の、窓から侵入しようとして皆でキャーキャーぶっ叩くパターン。で、「進化」が肝の怪獣さんなのに、そこから変わってくれない。アタマの大盛。何度か繰り返すうちコントに見えて来ます。ロジャー・コーマンの映画でよくあったなあ、と懐かしかったですケド。

あとせっかく美人さん出すのに着衣オンリー。いくら寒い場所だからってこれはNGでしょう。女性で一番活躍するのが、視察に来たオバチャン大臣ってところに本作の狙いがあるようですがう~ん…オーストリアって国がわからなくなりました。超熟女好きなお国柄なのでしょうか。

そしてラストのオチに唖然茫然。あまりに飛躍し過ぎで脳、凍りました。

ひょっとして、母性愛とは遺伝子を残すために組み込まれたモノだった…というアイロニカルなテーマが秘められているのかもしれませんが、面白くもないからどっちでもいいです。

<2014.11.4記>
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