くりふ

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒のくりふのレビュー・感想・評価

3.5
【オリジナルサルがよかったのでは?】

U-NEXTにて。スタジオライカで見ていなかった一本。

さすが動きは凄まじく、ストップモーションアニメというより、ライカ映画という独自のジャンルと言っていいかと。

ただ今回も、お話がねえ…。

人間側の誂えは興味深い。19世紀にして、ダーウィンが進化論をとなえて暫くした頃。英国では女性たちが参政権を叫び、本作の悪役は、それらを否定する堅物オヤジと設定している。

…コレ、暗にキリスト教に異議申し立てをしているんだが、ファミリー向けだから“堅物オヤジ”以上には踏み込まない。そして、悪人を懲らしめる話にしていて、“悪い考え”には手を付けない。コレ勿体ない。

あと、冒険の果てで見つけた“親戚”の態度は、時代に逆行しているよね。現代で、これはないでしょう。

一番気になったのは、要であるイエティのキャラに鮮度がないこと。そもそも、いくらイエティが人間のように振る舞っても、擬人化はアニメでは当り前に見てきたことだから、驚きがないんだよね。

興行はコケたらしいけど、これでは仕方ない。

いっそ、イエティの新種をオリジナルで創っちゃえばよかったのに!

スタジオライカは唯一無二の存在だと思うから、次は頑張ってほしい。新作、進んでいるようだしね!

<2024.5.28記>
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