血塗れの氷河を眼下に飛び去るヘリコプター。
運ばれるのは心身ともに傷ついた者たちと、新しい命が、ひとつ……。
ラストは最高。
まあ、『遊星からの物体X』『エイリアン』を駄菓子レベルにした作品ではあるが、クリーチャー好きの私はそこそこ楽しめた。
登場した愛すべき異形たちを紹介しよう。
でっかくなったヤギ、ヤギモン
角が生えたよぶっ刺しちゃうよ、タカモン
狐とクワガタが合体だ、イナリモン
おしっこかけられたくらいじゃ死なないよ、ダンゴムシモン
どれも愛らしい。もっと明るい場所でじっくり活躍を見たかったのだが、そこは大人の事情もあるのだろう。ぼろが出るといけないし。しかたアルマイト。
舞台は標高3500mのアルプス。素晴らしい景色も堪能できた。逃げ場がない閉塞感も、恐怖に華を添えた。研究チームの面々が、ろくでなしばかりというのもポイント高かった。
女大臣、めちゃ根性あったな。この映画の唯一の良心だな。他がクズばかりだから、よけいに輝いて見えたのかも。
クズといえば、いくら恋人が亡くなったからといって、泣き叫びながらバナナを食う女はとてもよかった。「泣くか食べるかどちらかにしなさい!」って大臣に怒鳴りつけられたシーンは爆笑だったなー。
ほか特に言うべきところはないのだが、やはり驚愕のラストには触れざるを得まい。詳細はお伝えしないが、想像の斜め上を行った。あぁ、いままでのグダグダはこれを撮るためにあったのだ。本筋と関係なさすぎて、おじさん見落としてたよ。昼ごはんのあとで脳に血が回ってなかったし。それだけに目ん玉ひん剥くほど驚いたね。そこに着地するのか! って。
大したタマだぜ。あんな人の良さそうな顔をして、狂ってやがらあ!
赤く染まった氷河を尻目に飛び去るヘリコプターは、描かれなかったその後を暗示するにあまりあるラストシーン。なんなら続編も作れるレベル。ぜひ観たい。
クリーチャー好きで我慢強い方にはおすすめ。もうすぐプラから落ちてしまうので、もの好きさんは急げ!
ネタバレ、だけど叫んでおきたい。
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人として育てられた異形がどうなるのか?
人類はすべての進化を受け入れられるのか?
これは神の意志なのか?
ヤバい!
テキトーに書いたら壮大なテーマを見つけてしまったあー!
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居酒屋の隅で独り言に盛り上がる孤独なオッサン
続編をギレルモ・デル・トロ監督にぜひ!