タハール・ラヒムってええ俳優やな~としみじみ思いましたね
アルメニア人の大量虐殺という100年前の歴史的タブーに、加害者側であるトルコ系の監督がメスを入れ話題に…、その虐殺の歴史を真正面から捉えながら、「人としてのルーツ」を壮大な旅路に乗せているところに静かな感動を覚え、さすが若き巨匠と言われるファティ・アキン監督!と唸りました♪
地球を半周する壮大な旅
家族を亡くしたかもしれない
生きていても二度と会えないかもしれない
その絶望と恐怖に苛まれながら、それでも決して枯渇する事のない家族に対する「愛」が希望となって主人公を突き動かす
「声が出ない」という設定からくる、タハール・ラヒムの訴えかけるような眼差しが、とにかく素晴らしい!
特に
チャップリンの『キッド』を鑑賞するシーンが秀逸♪
主人公のサイレントと、チャップリン映画のサイレントがどこか呼応していて、声にならない熱い感情がドッと込み上げて感動的
うん、どこか、「映画の原点」的な・・・
監督はこの映画で虐殺の真相を暴こうとしているのではなく、特に、移民大国アメリカに於ける、人々のルーツの1つを紐解こうとしているんだと感じた
戦争の歴史
虐殺の歴史
移民の歴史
家族の歴史
それら全てを地続きにさせ、生きる希望に境界線は存在しないことを一貫して訴えかけてくる
政治色は決して濃くないので、壮大な人間ドラマとして受け入れやすい柔らかさも効いてますね
砂漠
海
密林
本気のロケーションも見どころ
『シンドラーのリスト』や『戦場のピアニスト』のアラン・スタルスキが美術監督です
タハール・ラヒムって『預言者』とか『ある過去の行方』とか良い映画にでてるよな~♪
どこか純粋さを残すウルウルの瞳に、いつも惹き込まれるんですな!
ちょい役のモーリッツ・ブライプトロイ
もうちょっと観たかったw