フワッティー

第三世代のフワッティーのレビュー・感想・評価

第三世代(1979年製作の映画)
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終始テレビの雑音や赤ん坊の泣き声、不快な機械音などのノイズに塗れている。聴覚的な雑音だけでなく、便所の落書き文章の引用など、視覚的なものも含まれる。

冒頭に映される映画はブレッソンの『たぶん悪魔が』のラストシーン。この映画はベルリン映画祭で銀熊賞を受賞したが、その時の審査員がファスビンダー。大絶賛したそうな。

ラストは序盤の「全て嘘でつくられた真実の世界が映画である」という旨の発言(『惑星ソラリス』に言及した場面)が如実に反映されている。ファスビンダー流の退廃主義の行き着く先としては期待と違ったものであったが、映画の終着点として最高であった。

追記 2021年1月9日
権力者とテロリストの癒着という社会のタブーも作品に使ってみせる。やはりファスビンダーはとんでもない。

『秋のドイツ』を見て。『第三世代』ではRAF(ドイツ赤軍)を踏まえたテロリストが描かれ、「テロリズムも行き過ぎるとどこかで止めなければならない」という『秋のドイツ』全体のメッセージも踏まえられていると感じた。どこまでも行き過ぎてしまった側としてのテロ行為が『第三世代』では描かれたのだろう。
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