第三世代の作品情報・感想・評価

「第三世代」に投稿された感想・評価

オープニングの、窓辺のテレビでブレッソンの『たぶん悪魔が』のラストシーンを流しているカットが、構図もすべてカッコいい。
当時の情景が物を言う映画

ドイツ映画特有のいつまでも盛り上がらないように狙った作り方はもうこの時には出来ていたんだなぁと感慨深い
papi

papiの感想・評価

3.5
ものすごく70年代っぽいのに果てしなくイマドキ。うわっついたものこそ普遍なのかも。
Roland

Rolandの感想・評価

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冒頭でいきなり『たぶん悪魔が』のラストシーンが映され穏やかではいられない。それこそ吹き込まれた声を繰り返し聴く『白夜』の主人公のように、常に画面外に溢れる名も無き声を聴き続ける映画でもあると思う。
yuria

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4.5
ファスビンダー映画の常連さんばかり出ていてテンションが上がる。
まつこ

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3.4
目先のスリルに溺れる第三世代のテロリストたち。前に向かって歩いているようで、全ては世界に操られている。

渇望は満たしていく喜びがあるけど、満たされた後は喪失への憂慮が付いて回る。

スリルを満たし、一瞬で散っていく彼らはそれで幸せだったのか。
泣きながら自分を捨てるシーンを見ていると目的のない革命に何の意味があるのか問いたくなる。
でも、きっと愚問なんだろうな。
理想を実現できないから暴力で自己実現を満たしているんだもんな。そして、それが「第三世代」なんだよな。
なんだか遠いようでいて、現代にとても近くて、ファスビンダーのいやらしさを感じる。

どんなけするの⁈なリフレインに笑えるところもあるし、ホワイティ(の俳優さん)の黒さ加減には吹いたけど、常に冷たさともの悲しさで溢れていたから、「ああ、これ一応喜劇だったな…」とそんな一言をつぶやきたくなる作品だった。

もう一度観て整理したいな。しばらくは休ませて欲しいけど。
言葉と映像の暴力に頭がグワングワンしている。
spacegomi

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4.5
ファスビンダーの言を借りると、体制への不満や無力感を原動力に、理想や信念を掲げて行動したのが第一世代。その第一世代から多くを学び強い影響を受けながら行動したのが第二世代。そして、行動の拠り所となる理念など何もなく、テロルそれ自体が自己目的化してしまっているのが第三世代である、と。

反体制としてみるとあまりにも身も蓋もなくて絶望的な話なのに、劇中のテロリストたちの顔からは祝祭の色すら見える。過剰なボイスオーバー、テクストの引用、コラージュなど、画面は常にがちゃがちゃしていて、この無秩序さは彼らの生き様にそのまま重なる。喜劇と悲劇が同時に成立していてなんだか泣きそうになった。
しかしこれを見ている観客もまた権力の掌で踊らされているんだなあ。

このレビューはネタバレを含みます

『第三世代』鑑賞。タイトルは新しい価値観をもつ新たなテロリストとしての「第三」らしい。
ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』を引用し「人間は愚かだ」という悲観主義に基づいたストーリー構成。事実、主たる登場人物の所属する秘密結社(らしき組織)は、物語中で何も成し遂げずに終わる。それどころか、中途半端な犯罪で多くの仲間の命を落とすほど「愚か」な存在として描かれる。
若者たちがアジトで何かを企てる姿は、若者らしいエネルギーを感じる一方で、群れなければ何も成し得ない(群れても何も成してないが!)無力さをも痛烈に批判しているようだ。彼らは危機に直面するたびに、アジトに群れる。そして、何も進歩的なことをしない。それは合目的性の欠けた、手段が目的と化した近代社会の弱さではないだろうか。なんて書いたところで自己の棚上げブーメランが刺さる。
nagashing

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4.0
自己目的化したテロリズムに傾倒する男女の群像劇。自分たちのスポンサーをそれと知らず拉致してしまう滑稽なエンディングからも明らかに皮肉たっぷりだが、所々に挟まれるユーモアのせいか、新世代を腐す意図はあまり感じられなかった。ファスビンダー作品の常連の役者たちが一致団結してことにあたる姿が、なんだか「気分はもうテロ」として興じるお祭りのようで、それを思えばこの散漫なつくりがむしろ愛らしくもある。『13回の新月のある年に』で破滅的な性転換者を演じたばかりのフォルカー・シュペングラーが女装してたかりにあらわれるシーンは、ファンサービスのつもりなのだろうか……。ベルンハルト男爵の「エドガーのおじいさんはあなたのお父さん?」(だっけ?)のリフレインにげらげら笑う。
冒頭のパルス音と点滅する緑の文字のシンクロがイカす。

目的を持たない愉快犯テロリストの男女たちを群像的に描いているが、いたるところで露悪的なユーモアが炸裂している。かなり笑える。
六章立てになってるんだけど、各章ごとにつけられたサブタイトルはすべてベルリンの便所の落書きからとったもの。文学・映画作品から落書きに至るまであらゆるところから盗んできて全く別の奇妙なオブジェを作り上げる。異化効果といったら聞こえはいいけど、もっと強引な勢いを感じる。
映画全体にゴミな世界を嘲笑う祝祭感が溢れているというか、祭りだー!って感じでとても楽しい時間を過ごせた。結構大事な人物があっさり殺されたりするのに全然悲しくならないのね。はじめてのファスビンダーでした。もっと観たいわ。
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