イチロヲ

温泉スッポン芸者のイチロヲのレビュー・感想・評価

温泉スッポン芸者(1972年製作の映画)
4.0
亡き姉の跡目を継いで芸者になった元ストリッパー(杉本美樹)が、名器スッポンを駆使しながら、飄々と世渡りしていく。東映のお色気芸者シリーズ第5弾。舞台は兵庫県の城崎温泉。中島貞夫、菅原文太、笹沢左保(木枯し紋次郎の作者)が特別出演している。

池玲子の退場が残念なところだが、不条理コメディのレベルは格段にアップ。鈴木則文監督いわく「帰国した横井庄一の痛憤の想いを乗せた」らしいが、素っ頓狂なスタイルに一貫しているため、そこまで汲み取ることはできない。

芸者の仕事に余念のない杉本美樹が、着物のままでバイクにまたがり、公道を爆走させていくシーンが絶品。女体の研究に余念のない外科医(山城新伍)が、女性の地肌を黒くすることで異人種へと変身させるシーンもインパクト絶大。

クライマックスでは、無限精流千本突きの達人・名和宏とのセックス・バトルが展開。彼は元軍人の極右のため、軍歌をバックに大ハッスル。相手の性技を自分から受けていく、セックス版「受け身の妙」が機能しており、プロレス的見地が捗る。
イチロヲ

イチロヲ