「アメリカ・ワイルド」というと、そもそも英文法としてどうなんだとか色々あるが、もともとのタイトルは「National Parks Adventure」というもの。沢山のスポンサー、そしてナレーションはロバートレッドフォード。国立公園(National Park)という制度を作り上げるのに、 ジョン・ミューアとセオドア・ルーズベルトが与えた影響の大きさを、映画を見ながら感じざるを得ない。現大統領ドナルド・トランプがベアーズ・イアズ国定公園の指定範囲を大幅に縮小させる動きがあるので尚更。ちなみにジョン・ミューアといえば、ロングトレイルの代名詞であり、誰もがスルーハイクを夢想するジョン・ミューア・トレイル(JMT)の名前にもなっている人物。死ぬまでに行きたい。
幼少期と思春期を西海岸で過ごしたこともあって、イエローストーン・ヨセミテ・セコイア・グランドキャニオン・モニュメントバレーなどはもちろん、アーチーズにクレーターやデナリ、多分全米で最も行きにくいグレーシャーや全米3大ガッカリのフォーコーナーズ含めて、西海岸の国立公園やそれに準ずる名所は両親に連れられて粗方行っている。今思えば贅沢過ぎる経験だが、当時は景色が変わらなくて(アメリカは広過ぎる)、本当に飽き飽きしていた。ラジオが入らないから、ディスクマンでずっとKenny Gを聞いていた。でも、今、思い出すのはそんな景色ばかり。日本の自然、日本のトレイルも無二の存在だから、それを楽しみたいし、もっと持続可能な方法を考えたい。そう思わせる短編ドキュメンタリー。
