湯気

わたしに会うまでの1600キロの湯気のレビュー・感想・評価

3.5
4年前ぐらいにこの映画の存在は知っていたけども、今に至るまで見ることは無かった。洋書の原作も持っていて、すごく惹きつけられていたにも関わらず。
今見るに至ったのは、現在自分自身が凄まじい変化の中にいて、何かしらの勇気づけられるものに触れたかったんだと思う。
そして鑑賞したが、とても良かった。どうしようもなさの連続の中で破茶滅茶になった感情を整えるのに旅の中で一つ一つと向き合うということは、気分が悪くなることの方が多いが、その対価として得る薬はその後の人生を癒し続けてくれる。「美しさの中に身を置く」ということ、これは劇中では自然の美しさのことを指していましたが、きっとそれだけではない。美しさとはふと湧き起こる喜びに満ちたポジティブな感情であり、それは自然の中だけでなくとも人との交流の中にもある。
雨の日、晴れの日、薄暗い日、毎日天候は同じではないがその中で淡々と自分の足で歩くこと、そして歩いていくしかないと悟って前を見ること、そのような大切なことを改めてこの映画は教えてくれたように思う。
湯気

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