湯気

戦場のピアニストの湯気のレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.0
「神に感謝する」って色々なところで聞くけど、今まで偶然に感謝するというような軽い解釈でいた。でも劇中で使われた時のニュアンスとしては「本来だったら絶対成立し得ない関係にこの瞬間のみ許しを請う」という感じがした。偶然という言葉で収まりきらない、罪ですらある関係の成立を全てを超越した者に許可を貰うというところに言葉にならない思いを抱く。そうでもしないと本当は美しさを感じても良い瞬間なのに、やりようのない哀しみが溢れて落とし所が見つからない。
「どうしてこうならなきゃいけなかったんだろう」って気持ちを抱えながら、でも凪が訪れることを祈りながらピアノを弾いていたんじゃないかなって思ったりした。
湯気

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