湯気

僕と頭の中の落書きたちの湯気のネタバレレビュー・内容・結末

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

後半のポールの言葉のくだりからもう号泣。愛情って距離が近いと気づきにくいけど、ちゃんと隣にあったりするんだよね。それに早く気がつけば良かったのにって、いつも後になって気がつく。でも気がついてから、なかった事にしないで、ちゃんと謝って向き合うところに美しさを感じた。

「病気を抱えているけど、病気そのものではない」この言葉は精神疾患を抱えている人の叫びに私は思えた。精神疾患を患ってるというと、どうしても他人から危険人物扱いされて、自分そのものを見てくれなくなる孤独感があるんだろうなって勝手な想像をした。自分を見た時に、まず「病気持ち」というタグが名前よりよく目立ってしまうというか。

嵐が過ぎ去った後の景色はとても透き通って見えて、心に凪が訪れる。病気があろうと無かろうと、生きていればどんな人にも全てを壊してしまうような嵐が来ることがある。全部どうでもいいなんて自暴自棄にならず、嵐を耐え忍んで、ふと優しい光が指す瞬間が来るのを待ちつづけることを忘れないようにしたいね。
湯気

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