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わたしに会うまでの1600キロのyのレビュー・感想・評価

4.6
原題”wild” R15指定。

耐え難い苦痛、悲しみ、辛さを経験した時人は、1人でそれに対峙しなければならない。時に受け入れる努力をし、時にそれから逃げる。
どのようなやり方であれ誰も代わってはくれないし、1人で何とかして克服出来ることもあれば、生涯克服出来ないこともある。

100キロマラソンについて何かで読んだ時、孤独の中否が応でも自らと対話することになる、というようなことが書かれていたが、1600キロともなるとそれどころではない。
何度も命を危険に晒しながら、毎秒逃げたくなる気持ちに襲われながら、ここでは同時に自らの過去とも向き合うことになる。

自らの心身を傷つけるような行動を重ねた過去のシェリルをビッチとか、クズとか形容するとは簡単だけど、そんな自分と向き合い、悲しみを見つめ、一歩一歩進み、トレイルを達成し、全てをさらけ出す勇気を持てた彼女はもう過去の自分を粗末にした弱い女性ではなかった。

観ていてずっと辛かったけど心が震えた。
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