虫がとにかくダメな私にはとてもじゃないけどできない。起きたらカエルでびっしりもゾッとするし、テントで寝るのも怖い。だけど、だからこそ憧れる。
シェリルが悪態を吐く回数が気づいたら減っていくのが、パンチはないけど印象的だった。PCTを歩くことで洗われるっていうよりは、それこそ亡き母が望んだ自分を「取り戻していく」という感じ。
そのシェリルにとっての全てだった母、ボビーを演じたローラ・ダーンがまた素晴らしかった。病床にあってもなお慈愛と明朗さに溢れたボビーが可愛くて、愛しくて。
母親を亡くすその悲しみと絶望は想像しかできないけど、想像するだけで泣けてくるし、母に会いたくなった。いつかその日が来たら、ボロボロになったら、私もどこかへ歩きに出るんだろうか。