くじら

キャロルのくじらのネタバレレビュー・内容・結末

キャロル(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

 アマプラの期限が近づいてきたので字幕版で視聴。
 2人が惹かれ合う様の描き方もがとても良かった。交わした言葉は多くなくても2人の間の空気、手の触れ合いへの反応からもよく伝わってきた。
ファッションだとテレーズの服やその変化、車での旅が良かった。
 映画の冒頭のシーンが2人の物語の終盤のシーンだったりするのも好き。

あらすじ
 冒頭、リッツでテーブルに向かい合う女性たちに男が近づき、若い方の女性テレーズに話しかける。パーティーの話しを持ち出す男を見て歳上の女性が席を立ち、テレーズはパーティーへ向かう。車中でテレーズは先程の女性、キャロルとの出会いを思い返す。
 クリスマス前のセールでテレーズが働くおもちゃ売り場に1人の女性、キャロルが訪れる。娘へのプレゼントを探すキャロルに小さい頃欲しかったものを聞かれ、テレーズは列車のセットを勧める。その熱のこもった様子が琴線に触れたのかキャロルはそれを配達で買う。会計後カウンターにはキャロルの手袋が。
 その夜飲み屋で彼氏やその友人とのむテレーズ。テレーズは写真を撮影することが好きだと分かる。
 テレーズはキャロルの住所に手袋を送る。キャロルはお店に電話をかけテレーズとランチすることに。さらにキャロルに誘われ、テレーズは週末にキャロルの家に行くことに。
 家に行く途中に寄った🎄を選ぶキャロルを撮影するテレーズ。キャロルの家でピアノを弾いたり、写真を見せるためにテレーズの家に行く約束をする。そんな時に突然キャロルの夫が来て娘を迎えに来るも、一緒に行きたくないと断るキャロル。クリスマスを娘と過ごせなくなったキャロルは荒れ、テレーズを駅まで送る。
 キャロルは自分がアビーやテレーズとの関係から親権を取り上げられそうになっていると知る。傷心のまま何となく目に止まったカメラをテレーズにプレゼント。2人はそのまま大陸を横断する逃避行へ。テレーズは旅に出る前に彼氏と決別する。
 旅の中で仲を深め合っていく2人。年越した日、今年は側にいると言ったテレーズにキャロルが感極まり、2人は肉体関係を持つ。しかしそれを盗聴され、もう一晩過ごした次の日キャロルはテレーズを置いて夫の実家へ。
 キャロルは娘のために別れを決意。テレーズはタイムズ誌で働き始める。しかしテレーズは自分を偽って生きるのはやめて、娘のために娘の親権を夫に譲り面会権をと話し、テレーズの会社に会う約束を送る。
 冒頭のように別れる2人。しかしパーティーで睦み合う男女を見てテレーズはキャロルの元へ。最後見つめ合う2人。

感想
同性愛について
 キャロルもテレーズも自分の気持ちに正直に生きることを選択したような最後なのが良かった。1952年では女性が男性の庇護下から外れて生きていくのも大変だと思うし、同性愛も犯罪な国があったり、そうでなくても病気や特殊性癖として考えられていた時代だからとても困難な道なのに、それでも偽りの自分で生きていきたくないって。そんな時代は嫌だけど、この時代を乗り越えて戦ってきた人がいて今があって、今も続いてるんだよな。
 
男について
 束縛や相手のためを思ってと言ってくる男(キャロルの夫、テレーズの彼氏)の描写が上手くてやるせなくて気になった。
くじら

くじら