「あなたは努力を続けるだけよ」
主演の二人の表情と声、視線の動きで魅せられるアンティークな物語。その美しさはもちろんですが、いいセリフが多くて脚本が特に好きでした。
キャロルを演じたケイトブランシェットの、あの惹き込まれていくしかないような心地良く低い声のトーン、言葉選び、確固たる愛と自信。見た目やファッションだけでなく自然と距離が近くなる魅力が内から溢れてた。ため息出ますね。タバコが似合いすぎる。これは惚れます。
テリーズを演じたルーニーマーラはとにかくどこからどう見ても綺麗。びっくりする。でもその綺麗さが目立ちすぎることはなく、いろんな役にハマっていける。この魅力はなんなんだろう。不思議な女性です。
二人だけの上質な時間はあっという間ですが、たとえ他人がコントロールしようとしても、時代が認めなくとも"知ってしまった"ということはどうにもならないわけで。
それこそが愛とかいうやつの本質なんでしょうか。
息を飲むというか唸るというか、独特な余韻を残す良作でした。