冴えない不良が秘密のスパイ組織に拾われ、ライバルたちと切磋琢磨しながら訓練をクリアして初仕事に挑むーージャンプ漫画みたいな王道ストーリーだなヤレヤレとか思いながら、しっかり引き込まれてしまった。ストーリー運びもテンポがよく、体感90分。
主人公エグジーのキャラ設定もジャンプっぽい。父親がスパイ組織で殉職した過去持ち、粗野で軽率だが正義感と思いやりに溢れた性格。
エグジーの訓練パートと並行して、エグジーをスカウトしたベテランキングスマン・ハリーの隠密活動も描かれる。
ハリーはクールで無愛想だが、スカウトしたエグジーをプロにしようとプッシュする人情深さや面倒見のよさがシブい。
何よりコリン・ファースのアクションが激シブで最高にクール。エグジー周りの不良をカフェで制圧するシーンと、教会の乱戦シーン。
アクションシーンも漫画的な画を意識している。武器を敵にヒットさせる瞬間をアップで捉え、スローモーションの多用も厭わない。近年のアクション映画では、こういう「人物の動きが明朗で分かりやすい」演出が主流になってきて本当によかった。
傘、紳士、マナー、アーサー王伝説由来のネーミングなどイギリスらしさをふんだんに散りばめつつ、過去のスパイ映画のオマージュ・引用も小出しにするあたりも上手い。
富豪のサミュエル・L・ジャクソン、カミソリのような殺人術を持つ秘書ガゼル役ソフィア・ブテラと悪役サイドも魅力的なキャラクター揃い。
続編も期待!コリン・ファース、シブすぎたので何とか復活してくれ。