強烈ブラックユーモア満載アクション映画 かな。。
IT企業トップの黒人率いる(選民思想のそのものの)上流階級一派が、地球環境を保護するため、自分たち以外の「不要」な世界中の人間を抹殺しようと計画。その手段は人間のウィークポイントを突いてくる。それ故、計画を阻止すべきキングスマンのエージェントですらその手に嵌ってしまう。
この映画ではびっくりするほど命が軽い。威風堂々の曲に乗ってカラフルなきのこ雲が次々上がる。極めてスタイリッシュな描き方なので笑ってしまうが、中身はひどく残虐だ。けれど、人間はいつだって自分勝手で攻撃的で差別的で残虐で、それは世界中の歴史が物語っている。そんな人間の姿を漫画的にユーモアたっぷりに描いたのがこの映画のような気がするのだ。
私的諜報機関キングスマンでは「マナーが人を作る」をモットーに訓練に励む。「マナー」とは人間関係や社会的な秩序を保つための礼儀作法であり、不要な争い事を起こさないための「理性」である。その理性を持って世界を守るキングスマン。訓練ではスパイ技術を叩き込まれ、最後に自らの忠犬を「殺すor殺さない」を問われる。ここで「殺す」選択をした人間はエージェントたる資格があるのかorないのか。世界を救えるのかどうか。
アクションシーンは素晴らしく面白い。教会でのハリー(コリン・ファース)の大立ち回りは長回し部分も多く、編集で動きに緩急をつけてスタイリッシュに魅せてくる。エグジー(タロン・エガートン)対ガゼル(ソフィア・ブテラ)ではガゼルのテンポ宙からの抱え込みダブルの派手なアクションに目を惹かれたが、多分戦闘上の意味はない笑 仮面ライダー顔負けのキックもむなしく空を切る。
ある意味大団円かもしれないが、人間のおぞましさを見せられた気がしたのは私だけ?