拘泥

ポルノ時代劇 忘八武士道の拘泥のレビュー・感想・評価

ポルノ時代劇 忘八武士道(1973年製作の映画)
4.3
初石井輝男にして凄い傑作を観てしまった。ねじ式がGYAOに来てたらしいんだけどそれをスルーしたのが後悔される。
作品全体があからさまな気狂いじゃないだけに、かえって、こんな映画作んのとんでもなく気狂いだなという印象を受ける。ポルノ時代劇って何だ。タイトルからして異常。

この映画には、何というか何の配慮もない。
女忘八どもが全裸で舞い、明日死能とかいう最高の名前の武士が、この世の些末の彼岸に人を斬り続ける。その明日死能を演じる丹波哲郎の顔面は神の域にある。
そんな世界観で、『女囚701号さそり』でも観た、あれは東映印だったのかと分かったが、色付きの照明と妙な背景の浮遊した演出が重なり、耳も腕も首もぶっ飛びこの世のしがらみを排斥した無二の時代劇が完成している。
タイトルコール、中盤、終盤、終わり方、最高。思えば思う程にイカれててめちゃくちゃに笑える。最後は、うわー完しやがる完しやがる完しやがったヒッヒッヒー!!!って具合。買って良かったー。
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