「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」にインスパイアされて、タランティーノ作品を見返す。
公開順に見返したかったのだけど、WOWOWはすぐ配信終了となってしまうので、消えていく順に。8作目の、8人の物語。
もはや上映館がないワイドスクリーンの70mmフィルム。IMAXではない。60~70年代のシネラマにこだわり、初見Netflix配信のPC画面でも、ワイオミングの豪雪を体感させてくれた。
しかし、天邪鬼なことに、映画の大半は猛吹雪に閉じ込められた一軒家での密室劇。8人は、誰が味方か敵か、嘘をついているのは誰か、と憎悪の眼でにらみ合う。whodunitのミステリみたいな緊迫感で、舞台劇のようだ。床に落ちているキャンディや壊された扉の伏線もあり、壮絶な撃ち合いで幕を閉じる。
前作ウェスタン「ジャンゴ 繋がれざる者」で、黒人の賞金稼ぎに白人領主一家を皆殺しにさせたタランティーノは、本作では、黒人を憎む南軍崩れの保安官と白人を憎む黒人賞金稼ぎに、最期に共闘させる。
3時間の長尺を感じさせない。