JAmmyWAng

ベン・ハーのJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

ベン・ハー(2016年製作の映画)
3.0
北京のSaga Cinemaで鑑賞。

オリジナルと比べてしまえば、すべてにおいて勝る部分はないけど、まあ悪い映画じゃないと思います。それはもうベン・ハーという圧倒的な骨格ゆえかもしれませんが。

まあ色々あるけど、取り敢えずベン・ハーとメッサラが決裂するまでの溜めが短い。オリジナルでは、ローマから帰ってきたメッサラと、エルサレムに居続けたベン・ハーが最初は再会を喜ぶのだけど、次第にその価値観の違いが露わになっていく。そんな危うい友人関係の継続の果てに、決定的な事故が起こり、ついに二人が決裂する(悲劇が始まる)、という流れをとても重厚に見せていたんですが、今回はその辺が弱い。僕が感じていたオリジナルの魅力ってその辺だったので、残念。

まあ上映時間の問題もある(オリジナルは4時間近い)ので、この辺りも含めて色々と人間ドラマの重厚性は薄れていて、それはまあインスタント感があります。

戦車レースのシーンも頑張ってはいたけど、アクションに関して「新しい何か」は何もなかったね!これもすごく残念。

正直、リメイクした意義が僕にはよく分からないんですが、まあインスタントラーメンだって不味くはないもんね、という感じです。
ただインスタントラーメンとラーメン屋のラーメンが並んでいたら、僕はちゃんと美味しいものの方が食べたいですけどね。

Last but not least.

中国で見たわけですが、なんかベン・ハーとメッサラがやけにあっさり和解するし、母と妹の病気が自然に治ってるし、つーかベン・ハーにおける重要人物のあの人が出てこないし、「これなんなの?」と思っていて、思うところがあって鑑賞後に色々ググって確かめたら、なんとキリスト関係の描写はすべてカットされてました!
Jesus Christ, that's the Communist Party of China!!

劇中、ベン・ハーは変わるし、(今作では)メッサラだって変わる。人は変わっていけるのに、中国共産党は変わらない。
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