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チェイス!のdskのレビュー・感想・評価

チェイス!(2013年製作の映画)
3.4
インド映画の場合、アクション映画の主人公の動機付けに対しても躊躇がないのであった。銀行をはっきりと悪役にするのである。大衆とは米国の銀行がつぶれるところがみたい人たちである、と寸分の疑いもない。
最近のハリウッドや日本の"良識的"な映画であれば、案外オブラートに包みそうなところなので、痛快に思うのである。(前世紀後半、ブロックバスターとよばれる映画群が悪名を轟かせていたころは、たとえばポール・バーホーベンのような容赦ない人もいたのだが。)

更にインドの魔術師、といえば、かつて欧米の映画でさんざ使われてきたステレオタイプ。そんなステレオタイプの内側が描かれる、米国主要都市の一つを舞台にしたインド映画でもある訳で。映画史の書き換え、という野心も透けて見える。
そのような野心に共感してしまうのは、随所にハリウッドや香港の娯楽映画に対するリスペクトが感じられるから。アーミル・カーンや脚本家達はダスティン・ホフマンとトム・クルーズの映画を研究しつくしたことだろう。
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