「Now You See Me 2/グランド・イリュージョン 見破られたトリック」
僕は、晩年のブールス・ウィリス作品が苦手でして。いや、もっと慎重に言えば、ブールス・ウィリスが選ぶ作品とその監督の映画が苦手です。
「RED」「ダイ・ハード ラスト・デイ」「LOOPER」そして、「G.I.ジョー バック2リベンジ」
なぜ関係のないブールス・ウィリスの話をしたのかというと、前作を映画館で鑑賞した際に思ったことが原因。
"なんか、ブールス・ウィリスが、伝説のマジシャンとかで出てきそうな映画だな..."という、あまりポジティブな感想ではない記憶があるからです。
ジェシー・アイゼンバーグのファンだし、デイヴ・フランコはバカだし、ウディ・ハレルソンが無双していて楽しいは楽しいんですけど、あんだけガツガツCG使われてたら、どこまでがマジックなのかわからないし、リアリティラインがグラグラになるから、観ていてドンドン"あー、そうですか"感が強くなるし、目玉のパリの銀行をアメリカから盗むマジックが冒頭にやるから、完全に尻すぼみでした。
ブルース・ウェインの使いっ走り二人組のジジィも見飽きたしね。(マイケル・ケインには、ザマァと思いましたけどね、イタリアで茶でも飲んでろ！←「ダークナイト・ライジング」の最後。)
で、ブルース・ウィリスも、ブルース・ウェインも実際にはでてこないんですが、ジョン・チュウは、「G.I.ジョー2」の監督。
ここでまたもやテンションダウン。
ガチでつまらなかった映画の監督作品。ぶっちゃけ、観るのやめようと思ってたくらいにダダ下がりしていたのですが、やはりラドクリフの"ダダァーン！"
だけはどうしてもでかいスクリーンで見たくて、そのためだけに鑑賞してきました。
結果的には、可もなく不可もなくな出来映えというか、ツッコミどころ満載のバカ娯楽映画として楽しめた印象でした、いや言いたいことは山ほどあるけど！！
まず、1ですら食傷気味だった後出しジャンケン展開が更に輪をかけて無理くり感が強くなっているのが気になりました。
そもそも、マーク・ラファロの役柄の個人的な復讐に話が展開されていくのはいいとしても、1で散々な目に合わせたあいつが、実はいい奴でしたみたいな展開はマジで勘弁な話。
しかも、その俳優が例によって"アノ人"
この人と、デンゼル・ワシントンの"悪そうに見えて実はいい人"っていう設定、もうやり過ぎだよ。「レゴ・ムービー」では"仰々しいことだけ言うけど、実は無能"みたいな扱いされてるぞ！
あとはやはり、今回もトリック・マジックについては、もう完全に映画だからこそ成り立つ、CGありきのマジックです。
もし、この映画で使われたトリックやマジックが本当に可能なら、それを見せて欲しい。
結果、一番面白いマジックが、CGに頼らない、新メンバー・ルーラによる人体欠損トリックっていう時点で、結局この映画の推しである大胆不敵なトリックなんてそんな求められたもんではないということなのだと思うんですが。
というか、フォースメンって確か政府に追われてるマイノリティ側でしたよね？
あいつらの活動、百歩譲って資金面でバックアップがあるのはいいとしても、最後のトリックとか、いつあんだけの人員を確保できたの？とか、本当に謎です。
こんなのばっか見ていたら頭悪くなる一方だな...とか思ってましたね。
だけどね、僕嫌いじゃないです、この映画。
だって、俳優のみんなが本当に楽しそうなんですもん。
カードの受け渡しのシーンとか、それこそシーンでワクワクしたというよりかは、楽しそうにやってる役者陣を見ている幸福感に満たされました。
ウディ・ハレルソンとか、あんなに楽しそうに一人二役演技してるの見ると、ニヤニヤしちゃいますよ、いっつも性格の悪いジャイアンみたいな役割ばっかやってる気がするから。
ラドクリフのことは好きだし、彼がハリー以外で演技をしている姿を見るのが嬉しくて仕方ない。「ホーンズ」最高だったよ！
そして何より、今回が1より良かった点は紅一点・ルーラを演じた、リジー・キャプラン！
「THE INTERVIEW」で"感じ悪い可愛い"女性で胸を躍らせて、「ナイト・ビフォア」で完全に恋に落ちてしまった彼女。今回も最高にキュートな、コメディエンヌぶりを発揮してくれました。
デイヴ・フランコの野郎に惚れたりすんなよ！あいつ、隣人トラブルすぐ起こすぞ。
アイラ・フィッシャーが、マジでおばさんみたいでイヤだったので、今回は本気で目の保養として嬉しかったです。メラニー・ロランはいなかったけど、よしとしよう！
というわけで、文句はたくさんあるけど、ファーストデーで傷は浅いので楽しめました。
次回作を作るなら、もう少し脚本練ってお願いします！
