らんらん

奇跡の2000マイルのらんらんのレビュー・感想・評価

奇跡の2000マイル(2013年製作の映画)
3.9
オーストラリアの西部砂漠地帯、3700キロを単独踏破した女性の実話。
原作の『TRACKS』(原題でもある)はベストセラーとのこと。未読。

ミア・ワシコウスカのラクダさばきが凄い!
実話を元にしただけあって、ラクダの描写もリアルである意味主役。犬もかわいい。シープドッグじゃない。

聞いたところでは、オーストラリアは実は世界一のラクダ大国だそうだ。そもそもは移動や運搬の為に持ち込まれた外来種で、そのうち車や列車に追いやられ、野に放たれて以来独自で繁殖。今や害獣扱いに。


舞台は1977年、今から半世紀近く前。

これはアボリジニやラクダ、砂漠というオーストラリア大陸のメインキャストでありながら、辺境/傍流に位置付けられたもののストーリーだ。
そういったものに親和性のある主人公も勿論、辺境/傍流的精神の持ち主で、失われた主流を模索すべく孤独で過酷な旅を企てる。人を遠ざけながらも人恋しと揺れる姿がまたリアル。

ジャケ写のピクニック気分やラブロマンスとは全然違う。奇跡なんてないし、むしろ着実な実行力を持つ頑固なオージー女性の堅実な歩み。
確かに道中ハードだしやり遂げた。でもそれを奇跡と言うなら、原作原題にも背いている。

いかんせん、ジャケ写と邦題が作品内容からかけ離れている事には文句を言いたい。映画会社か配給会社か知らないけど、いい加減そういう作品潰しはやめて欲しい。


力作・熱演で満足だけど、星が上がりきらなかったのは、実話ものに良くある原作ありきなところがちょっと。自分みたいな読んでいない人には伝わりづらいかも。


オーストラリアの砂漠が色々見られたのは良かった。
草の生えた砂漠や、砂だけの砂漠。固まった土が乾燥してひび割れた砂漠。
石ころ砂漠も昔写真集で見た事があるけれど、そこは歩いていなかった!

fujisanさん、レビューと情報をありがとうございました!
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