はま

名もなき塀の中の王のはまのレビュー・感想・評価

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)
3.4
邦題から「囚人が刑務所の中で成り上がっていく」物語かと思ってたら、親子ふたりの人間ドラマだった。暴力と怒りばかりの100分間だけど、その中で確実に変化があって、それらを経てのエンディングはとても良かったです。
ジャック・オコンネル君すごいぞ!

【少年院からそのまま刑務所へと移送された19歳にエリック。舐められまいと常に警戒態勢の彼のもとに、警告のために1人に男がやってくるが…】
登場人物の立場ゆえに感情移入とは程遠い視聴環境でしたが、生き残るために必死なエリックの気持ちはちゃんと伝わってくるし、その彼を救いたいあまり…という父親の気持ちも分かる。

力だけが全ての刑務所では交わす言葉も少なく進むので、詳しい状況などが分からずに見ていくこともありましたが、最終的にはきちんと全部わかるし、わかった後に考えると「ああ〜〜…」ってなる。誰が上で誰と利益関係にあるのか… 生き残ることに必死だったエリック(として)は意図せずにそこに巻き込まれてしまいますが、親子の物語としてはそれも運命だったのかも。
クサイなぁ私。

セラピーだったり仲間だったり、綺麗な方向へ作ろうと思えばできた脚本だけど、今作は行き着くところも演出も、静かにリアルに。刑務所内の常識みたいなのには縁がないから驚きばかりだったけど、現状こんな感じなんでしょうね…(脚本家曰く)

しかしまぁほんとルパート・フレンドは相変わらずオーリーに似てる…
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