イチロヲ

ラブ・ハンター 恋の狩人のイチロヲのレビュー・感想・評価

ラブ・ハンター 恋の狩人(1972年製作の映画)
3.5
近親相姦のトラウマにより淫蕩生活に逃避している令嬢(原英美)が、かつて関係していた男(三田村玄)とその恋人(田中真理)を思うままに弄んでいく。警視庁による最初の摘発を受けた、日活ロマンポルノ。

未熟な性体験しかもっていないカップルが、性技に長けた悪女の介入により、破綻を来していくというドラマ。サイケデリック描写を取り入れた乱交パーティと原英美の大仰なオナニー芝居が眩いばかり。

日活ロマンポルノは、本作の摘発を受けて「猥褻の何たるか」をめぐる不毛な裁判へと突入。大島渚、今村昌平、新藤兼人、鈴木則文など、そうそうたるメンバーの弁護を得るうちに、1980年8月1日をもって日活側の無罪が確定する。

作品自体は、特段過激というわけではない。摘発に関して述べると、警察は権力を誇示させたかっただけであり、標的となる作品は何でも良かった。つまり本作はスケープゴートにされた、という解釈が正解に近い。
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