花俟良王

ストレイト・アウタ・コンプトンの花俟良王のレビュー・感想・評価

4.0
ドレーとアイス・キューブぐらいしか知らずN.W.A.と聞いてプロレス団体かと思ったぐらいの僕でも、一瞬も退屈することなく楽しめた。
美化してるだろうし、欲を言えばドレーの天才ゆえのトラック作りにもスポットを当てて欲しかったけど、ラップ云々ではない普遍的な映画、しかも王道の青春映画として満足できた。

余談だけどロック方面の音楽好きの視点で言うと、差別にラップで立ち向かう物語を観ている観客が、強面なギャングスタラップを実は差別している事にも気付かせてくれるのではないか、などとも思う。洋楽を聴くくせに「言葉が理解できないから」と言い、ストロベリーフィールズにだって行った事がないくせに「コンプトンの事は知らないし」と言う人もいるかもしれない。好き嫌いは別として、ラップ、特にギャングスタ系を聞いたことがない人や、聞きたくもないと思っている人にこそ観てほしい。なぜ彼らが表現したのかが分かるし、それが受け入れられたのかも理解できる。「F・ザ・ポリス」のシーンを観て痺れない人はいないだろう。
相手を知らずにレッテルをはることも差別なんだよね。
花俟良王

花俟良王