くろきつ

ギリシャに消えた嘘のくろきつのレビュー・感想・評価

ギリシャに消えた嘘(2014年製作の映画)
3.7
ギリシャでツアーガイドをして暮らす青年が優雅なアメリカ人紳士とその妻に関わったことで殺人事件に巻きこまれ破滅の道を辿っていく様子を描いた極上のクラシック・サスペンス。

パトリシア・ハイスミスの「殺意の迷宮」が原作の優雅なギリシャの街で起こる殺人事件が結びつけた三人の男女の愛憎劇。ギリシャに旅行に訪れたアメリカ人夫婦はツアーガイドの青年と交流を深めるが、仕事上の失敗率で夫に金を取り立てに来た探偵を殺してしまったことで幸せなギリシャ旅行は終わりを告げ、追われる身となった三人の破滅への旅が始まる。60年代ギリシャが舞台の上品なクラシックサスペンス。美しい街とは裏腹に三人の旅路は重く沈んだものだった。ヴィゴ・モーテンセンとオスカー・アイザック、キルスティンダンストがその三人を演じていてどんな状況でも上品さは無くならない。逃走劇や銃撃戦が無くとも一触即発の会話に緊張感があった。結末も優雅でいままでの憎み合いが水に流されたような感じで結構好きだった。
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