遊

ムーンライティングの遊のレビュー・感想・評価

ムーンライティング(1982年製作の映画)
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緊張感がスクリーンを超えて伝われば映画ってもう成功だと思うけど、これはもう行動《万引き》も人間関係《ブラック企業》も情勢《ポーランドの戒厳令》も金銭面も仕事の納期もなにもかも全部ガチガチにギリギリ綱渡りし続けてて面白すぎる 名作

ブラック企業の社長は自分だって無理難題に押し潰されて死ぬほどつらいなかでなんとか社員の食い扶持を保ってるのに、とうの社員たちには死ぬほど恨まれている(死ぬほど働かされてるから仕方ない)という当たり前だけど酷すぎる側面 英語が喋れるのが自分しかいないからって外部とのやり取り全てを引き受けなきゃいけないのも地獄すぎだし、さらっと「信仰は捨てた」ってナレーションが入るのもう泣くとかいうレベルじゃなかった 神は助けてくれない、とかの前にもう教会に行く時間もお祈りをする時間もないんだ
終わり方もいっさい容赦ない

中学生にどうして勉強をしなきゃいけないの、って問われた時に直感的に通じるのは「大人になってからブラック企業で働くという選択肢しか持てなくなる可能性を少しでも減らすためだよ」とかかもしれない
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