ムーンライティングの作品情報・感想・評価

「ムーンライティング」に投稿された感想・評価

不法就労者が家のリフォームして、予算がつきそうになると万引きかますってだけの映画なんだけど、クソ面白い。万引きのシーンのスリル。
こどもの遊びの延長のような感覚があるし。

あと、子分たちの動きが面白い。
寝袋履いたままぴょんぴょん飛んでくるの笑える。感電するシーンも、申し訳ないけど笑えるし。
なんだろう、この緊張感あるようでない感じはw ちょー独特だお!

妻の写真が動き出すシーンは、『ラ・ジュテ』のような鮮烈さがあったよー。
ラストカットもすげー。放置されたショッピングカートが流れていくのだが、轟音! リフォームの映画だけあって音が轟音だよね。っていうか、スコリモの映画は音が特徴的だよね。

どーでもいーけど、レゲエ好きとしてはブラック・ウフルのポスターが出てきたのは見逃さなかった。まぁ、どうでもいいですねはい。
マ

マの感想・評価

3.7
万引きとリフォームの繰り返しで、万引きしながらエロい事考えて悶々としてる主人公がやばい。目つきがおかしくなってくのが面白い。
観終わって考えてみると笑えるけど、ポーランドとイギリスが断絶して追い詰められて不安になってくのがなかなか恐ろしくて、帰る場所を失うとこうも人は判断力を失うのかと考えさせられた。
「ムーンライティング」は副業とかバイトって意味らしい。
芥川

芥川の感想・評価

4.5
とにかく壊して、盗んで…
笑えるけど、同時に不安や絶望がそこはかとなく漂っていて、ざわざわとした感覚が常に拭えない。雑然とした映画
ラストが秀逸
菩薩

菩薩の感想・評価

4.1
スコリモフスキらしい独特のユーモア。ストーリーの陰でくすりと笑える瞬間的な描写が実に面白い。ワルシャワからロンドンへ渡ってきた不法労働者達を描いた作品。英語が話せるノヴァクをリーダーに、なんとか彼が他の3人をまとめようと奮闘するものの、本国では「連帯」のワルシャワ蜂起による戒厳令で連絡付かず、それをひた隠しにするためのリーダーの孤軍奮闘の努力が涙ぐましい。あんな露骨な万引きがなぜばれないかは不思議だけど、まぁでも面白いしスリリング。後半の展開は、四人の関係性に本国の状況を重ね合わせたかの様な趣に。当然不法労働だから応援するのは間違いなのだろうが、一日18時間、クリスマスも新年もささっと済まし、ひたすら働き詰める彼らの姿に、日頃の日本社会のマゾヒズムな労働環境を重ねずにはいられず…。でも結局、こんなスコリモフスキは笑うしかない。日頃ストレスを抱えてる方には結構オススメかも。ラストカット、終わり方が秀逸。おそらくはワイダの『ワレサ 連帯の男』と併せて観ると尚良しかと。ポーランド映画祭も始まった事だし、きっと今がチャンス。
工事現場の良さ。
解体作業の良さがある。
たてぃ

たてぃの感想・評価

4.4
す、すごい…共産主義国家だった当時のポーランド情勢をたった4人の不法労働者間での出来事で表現している…ブラックコメディを交えて…いかにもスコリモフスキ監督らしい作品でした…

1981年12月、ロンドンにある別邸のリフォームをやるよう社長から命令されポーランドから観光ビザで向かう主人公と職人の3人。期間は約1カ月。英語を話せるのは主人公のみ。従って、外部からの情報は主人公しか入らない。また財布(1200ポンド)も主人公が握っているため、職人3人は主人公に言われるがままにただただ働くのみで食料も主人公が買ってくる…これぞ共産主義国家下での配給制…しかし、予算の不足が徐々に浮き彫りとなり、主人公はある行動を始める…しかも、祖国ポーランドでは戒厳令が敷かれ電話回線が遮断されたため社長や家族と連絡が取れない状況に…

まさに、主人公=ポーランド政府、職人3人=共産主義国家下の労働者、社長=ソ連(&近隣住民=西側諸国)という縮図…そして当時のポーランドはまさに労働者の怒りが爆発しゼネスト、対する政府は戒厳令…そしてポーランドの未来を予見したかのような作品の終盤…でも、ポーランドの歴史を知らなくても十分面白いですw

ちなみに、1980年代前半のポーランド情勢については「ワレサ 連帯の男」でも描かれていました。それを見たおかげでこの作品にも入りやすかったです。

《補足》
・予告編(字幕なし)
https://m.youtube.com/watch?v=qgRO15muX78

・当作品については、マーメイドフィルムさんの映画配信サイトで鑑賞しました。他にも観たい作品があるので今後も利用したいと思います。(一本あたり350円)

http://beautiesweb.com
h

hの感想・評価

4.0
自国のクリスマスソングを歌いぶつけあう子供と、不法労働者。または、服屋に妻の写真を貼ってもらおうと店員に頼み、断られる男。鬱屈とした性欲。それとは全く関係ないところで露わになり、無視される乳房。爆発する電球。人ごと倒される脚立。叩き割られるテレビ。ぼんやりした人への不安・嫌悪・倦怠感とは関係ない奇妙なところで出てくる荒々しさ。不法投棄物を投げ棄てるという行為がバスケットボールになり、万引き犯逮捕の瞬間はサンドイッチに疎外される。全てが唐突。詩としては最高であり、映像の作りは(わざと)雑になっている。
寂々兵

寂々兵の感想・評価

3.8
家をリフォームする合間に万引きしてるだけの映画。ポーランド社会主義の夜明けを労働者で例えた悲喜劇だが、そんなややこしいこと考えんでもめちゃくちゃ面白い。ジェレミー・アイアンズから漂う中間管理職的な悲壮感、俺にはもうこれしかないんだと言わんばかりの「目」と「間」、サイレント時代の喜劇俳優を彷彿とさせる。つーか冒頭から既に神経症的に周りに気を遣いまくっていて笑う。万引きをせこせことやってるさまはブレッソンの『スリ』だし、家をガンガンリフォームしてる感じは同じくブレッソンの『抵抗』だ!余裕でスコリモの暫定ベスト。
これが1番好きかもしれない。度重なる騒音に耐えかねた隣人が苦情にやってくる様はある意味『ザ・シャウト』以上に音楽家の実情を表しているような。建築物の直線の美しさとスーパーマーケットのモダンな作り(監視カメラ!)は映画で見ると今では遠い過去なのに近未来的な感じがする。主人公ノヴァクのような周囲の非難に動じない強い意志が芸術家(労働者だけど)を逞しくするんだろうな。
TOT

TOTの感想・評価

4.1
なんて完成された面白さ!
ムーンライティングとは不法労働のこと。
祖国を離れ、ロンドンの社長宅のリフォームにやってきたポーランド人男性四人の悲喜劇。
ジェレミー・アイアンズ演じるノヴァクが次第に専制君主化していく様とポーランドの政治的な背景の暗喩の妙。

妻の為に高収入をと不法労働を請け負うことにしたノヴァクは唯一英語が話せるためにリーダーを任される。
しかし、仲間には祖国に戒厳令が施行されたことを言えず、妻と社長の浮気も疑い、金も尽きて万引きを重ねながら次第に独善的になっていく。
溜まりに溜まった四人の鬱憤が静かに炸裂するラストがクール。

何度直しても倒れてくる梯子、公衆電話で電話をかけようとしたら子供に電話ボックスのガラスを割られ、大枚をはたいて買ったテレビが映らない、盗んだ自転車の色をペンキで塗り替えたのに雨で色落ち。
四人が異国で直面する小さなイライラ描写のブラックなユーモア。
面白くてやがて悲しい、ポーランドの歴史の一角を鮮やかに照らす傑作。
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