このレビューはネタバレを含みます
よくある王の暗殺ストーリーと思い観たのだが、素晴らしい映画だった。
内容も映像も構成も最高だった。
全体的に暗いのだが、光の当て方が印象的。
ヒョンビン演ずる王がチョンジェヨン演ずる尚冊を問いただす場面、仄暗い部屋の一方から外の光がほんのり両者の顔を照らし、わずかな表情の変化を際立たせていた。
華やかな色味は一切ないのにコントラストで魅せる。
稲妻が光る雨の夜の戦い。
引きと寄り、夜の黒 雷の銀 血の赤、さらに遠くから弓を射る王の白。
スローで飛び散る雨粒の美しさに鳥肌が立った。
尚冊が追放されたところで結末の予想はおおよそ立つのだが、ストーリーが奥深く非常に見応えのある史劇だった。
俳優陣の抑えた演技とその一瞬の表情を逃さない監督やカメラマン、どちらが欠けてもこのような作品にはならなかったと思う。