Osamu

オデッセイのOsamuのレビュー・感想・評価

オデッセイ(2015年製作の映画)
3.7
現場の底力を観る映画。
火星ひとりぼっち男のサバイバルと救出の物語。

火星に取り残されたマークは毎日ビデオシステムにログを残します。その日やったこと、感じたことを日記のようにカメラに向かって話します。

この形式が面白いです。全然目新しい手法ではないですが、何故なんでしょう。ビデオに残す行為が前向きだからですかね。そう、マークのポジティブさがこの映画を面白くしています。

火星のマークがポジティブに迷い無くシンプルに前に進んでいるのに対して、地球のNASAの偉い人たちは複雑なことになっているんですね。この対比も面白いんですが、サラリーマンの僕にとっては、NASAで起きていた複雑さがあまりにも現実的で日常的で、SFの世界から引き戻されてしまいました。

全体戦略を考える人たちは現場を分かっていないとか、上の人が間違った判断で失敗しても責任を取らないくせに、結果的に正しくても部下の勝手な判断には厳しい鉄槌を喰らわす、とか。そんなところが妙に気になってしまいまして。

現実世界でもそうだと僕は思いますが、この映画でも偉大なのは現場の力でしたね。

ところで、日記を書くという行為には、感情浄化作用があるそうです。その日に起きた素晴らしいことや新しい発見を書くと自尊心が高められ、また、感情を吐き出すことでストレスが発散されるとのことです。

マークのポジティブさは、このビデオ日記が支えていたのかもしれませんね。

Filmarksに映画の感想を書くことも僕には似たような効果があるような気がします。
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