原作を先に読み、べらぼうに面白かった上での視聴です。
知恵と科学、そして努力をもって、一つ一つ問題を解決しながら火星脱出目指して進んでいくマーク・ワトニーと、それを支える人々の勇姿は、原作通りに胸を熱くさせるものがありました。
これに加えて、文字だけでは少々イメージが難しかった機械装置や、無慈悲にして雄大なる火星の様子が映像として分かりやすく表現されているという意味でも、良き映画化だったと思います。
ただ原作に比べると、若干ユーモアに欠ける所があり、生真面目に過ぎる印象がありました。ここは監督の作風だったり、NASA監修ということで仕方が無い事かも知れないのですが、それはつまり生き延びるための心の余裕でもある訳で、もう少しあっても良かった気はします(まぁ無いことも無いのではありますので、もう少し、ですが)。
後、ユーモア欠乏観点で細かい所ですと、原作で好きだった描写二つが二つともカットされていた(D&Dネタと、例の(.Y.)です )のは、素直に残念だったと言わざるを得ません。印象的な描写だっただけに、エンドクレジットのオチにでも使うのかと最後まで期待していたのですけどね!