ごんす

マイ・ベスト・フレンドのごんすのレビュー・感想・評価

マイ・ベスト・フレンド(2015年製作の映画)
3.9
この映画を観て思い出した遠い記憶を…

高校生の頃クラスメイトにいつも二人でいる女子二人組がいた。
ある日片方の子に彼氏ができ、そのことをもう片方の子は人づてに聞いたらしく「仲良いのに彼氏ができたこと私に言ってくれなかった!」と怒っていた。

知らんがなと思いつつ「そういうのって自分から言いにくいのかもよ」と言ってみると「そんなの分かってるけど、ちゃんと祝福したいから言ってほしかった!」と食い気味に言われ少し怒られた気持ちになり凹んだ。

当時学校が終わると直帰して再放送のドラマを観ながらお菓子を食べるのが楽しみだった自分には心底どうでもいい話だったので彼女達の問題についてはそこで思考停止してしまい、彼女達の友情がどうなったのかは知らないまま卒業。
卒業後も二度と会っていないし二人の名前ももう思い出せない。
こういう忘れてた記憶を思い出す時点で映画として最高。
本作を観て幼馴染みの二人を観る系の映画はいくらあっても良いなと思える映画だった。

病で入院中のトニ・コレット演じるミリーが母にジェス(ドリュー・バリモア)の出産に立ち会いたいと伝える。
その頼みを聞いた時の母のカッコ良さに泣いた。
ベタベタ描かなくても親子の関係性の強さが伝わってくる。
こういう親子愛の描き方は凄く好き。

ミリーとジェスの友情は微笑ましくもあるが、二人のノリのようなものは最初は「ふーん」と何気なく観ていた。
しかし終盤それが一気に愛しくなり泣けてくる。
近年は『ヘレディタリー継承』のせいで恐怖顔のイメージがついていたトニ・コレットは今回泣けてくる様な顔をしていた。

欲を言えば…というか好みの問題だけどモノローグで綺麗に物語が閉じられていくのが少し惜しい!
でも彼女達の物語だし、二人の関係性を観ているとこの終わらせ方も素敵だなと思った。
ごんす

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