ある男女の出会い、結婚、別れまでの5年間の移り変わりを描く、切ないミュージカル♪
男は出会いから別れまでを時系列通りに、女は別れの時から出会いまでを逆に、歌に想いを乗せて語る。全パート歌あり♪
出会った時の幸福な時間と、歪を生んでしまった2人の関係の食い違いを交錯させる感じは『ブルーバレンタイン』を思わせるし、時系列をパート毎に逆に見せていくのは『ふたりの5つの分かれ路』みたい。
ただ今作の"歌"という武器で心に訴えてくるものが大きい。
記憶から思い出を呼び起こす時の順序立ては、起こった出来事を時系列通りに辿ることもあれば、最近のものから遡る事だってある。
それは2人の性格の違いか？男女の性質の違いか？
自分を正当化する時には、同時に相手を否定する。そのバランスの象徴のように。良き時と悪い時が常に交差する。
色んな風にも受け取り感じられるこの演出で、2人のスレ違う想いが伝わってくる。
ワンシーンだけ2人の時間と歌が重なる時の、美しい瞬間。
僅かでも心も重なっていたのかな？と思えたそばから、また違和感を訴える描写。
そもそも最初から最後まで2人は違うところに立っていたのかもしれないね。
通常物語は出来事や主人公の感情を時間の経過と共に見ていくことで、共感を重ねて感動があるものだけど、それが入り乱れる進行でも、歌の力で一気に感情に引き込まれてしまった！
アナ・ケンドリックのパートは特に逆進行なのに、2曲目で既に感極まる…。
『ピッチパーフェクト』の時はそこまで感じなかったんだけど、今回はかなり歌の表現力に圧倒されました🎶
普通に聴いたら、ただの恋に浮かれるラブソングとなる後半の歌も、結末を知ってから聴くとなんとも行き場のない切ない想いに聴こえて、涙が出た。
2人の関係を築くために、失っていったものを一つ一つ拾い上げて、本来の自分に戻って行くリスタートの過程にもなんだか見えてくる。不思議な逆進行。これはちょっと深読みだけど。
そして極め付けはジェレミー・ジョーダン！もうワンフレーズ歌っただけで、ひれ伏したくなるほどの上手さ…！なんてセクシーで心を掴む歌を歌うんだ…(*´Д｀*)♡
曲も聴き入る感じで、久々にしっかりミュージカルを全身で味わえるパワーがありました🎶
もともと舞台ミュージカルからの映画化なので、ところどころ舞台の雰囲気を感じる演出も♪舞台だとこんな感じかなと想像しながら観るのも楽しかった♬
ディズニー配信分のレビューの消化もまだ完了してないのに、U-NEXTの1週間分の無料クーポンをうっかり手に入れてしまった！！節操ないな、自分。
