孤独死した人たちを見送る仕事を誠意をもって続けてきたジョン・メイだったが、経済難のため自治体が経費削減と称してジョンの部署は他の地区と合併、彼は体良く解雇されることとなる
「変わった仕事ね、他人の人生を辿って…私には無理。」
メイの近所に住んでいたビリー・ストークが最後の案件となり、メイはビリーを知る人々を訪ね、イギリス中を旅する
「葬儀は死者のためのものじゃない…弔う者がいなければ必要はない。遺された者にしても、誰もが葬儀や哀しみを知りたいとは限らない。」
STILL LIFEという原題がいいですね。
あらゆるシーンが芸術的というか、台詞や音楽も少ないはずなんですけど、めちゃくちゃ語ってくるような映像の連続で素晴らしい。
葬儀とは何のためにあるのか…送骨だの直葬だの、はたまた葬儀までデジタル化しつつある昨今、古来仏法の教えでは葬儀とは死者を弔うとともに参列する遺族に向けての説法でもあると聞いたことがあります。
この映画では孤独死された人たちを見送る仕事をしているジョン自身もまた孤独な感じでしたが、最後の案件でビリーの知人を訪ねてまわるうちにジョンもまた何かしら変わりはじめるんですけどね…そんな感じがあるんですけどね…まさかね…ラストも悪くはないんですけど、僕としてはケリーとお茶でも何でも行ってほしかったですね。
死人に口無し…できることなら生きている間に…なんて、思っちゃいますよね。