寿マーガリン

デッドプールの寿マーガリンのレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
3.0
従来のヒーローのように優等生じゃない。金で女を買って、アナルセックスに励んだり、おまるにオシッコしてたり、とにかく“下品な大人”感がだだもれ……思春期のお子さんをお持ちの家庭では絶対に放映をオススメできない。

アメコミヒーロー特有の童貞感ゼロ!スパイダーマンの反対語!トビーマグワイアの対極!下ネタを愛し、下ネタに愛された男!
それが【デットプール】である。


しかし、そんなデットプールの素晴らしい点として
【相手のおちんちんをアイデンティティ豊かに表現する】という点があげられる。

デットプールは間違いなく文系。フリースタイルダンジョンに出場したら間違いなく般若を引きずり落とせる矢継ぎ早なdis。アメイジング。憎まれ口というブラックユーモアのセンス。ファビュラス。

盲目の黒人女性のルームメイトを「女スティービーワンダー」と呼ぶあたり、比喩的表現がアメイジングでファビュラスだがグッドルッキングガイではない、それが【デットプール】なのだ!!


……おちんちんの話に戻ろう。

「オーストラリア出身だけあってあいつの南半球はヤバイ。」とか「だめ~!彼のライオンキングを潰さないで~~!」と言ったり、クロッサスの合金の股間を目にした時は「大丈夫?…奥さんつらくない?」と声をかけたりする。


とにかくデットプールはおちんちんの事をありとあらゆる言葉を使って表現するプロである。
おちんちんヒーローといっても過言ではない。その表現がアメリカ人らしくてとても面白いので、ヒマな大人は注目してみてね!


そんなデットプールですが、どういうわけかこの映画は純愛なんです。
やってることは完全に終わってるんだけど、BGMをラッドウィンプスにしたら「君の名は」とさして変わりない。前前前世から君を探してたんだな~~ってすぐわかるくらい【最高の二人】感がすごい。


「このままくっついて離れたくない」
「ルークにおぶさったヨーダみたいに?」
「スターウォーズか」
「帝国の逆襲」
「君って、コンピューターで作ったみたいに好みドンピシャ。」


聞きました?
この完璧なかけあい……。

このあたりの言葉のやり取りは、村上春樹の「ワインとチーズにこだわりのある、やれやれな僕と儚げな君」に通ずる、完成度の高い慣用句のようですよ。

二人の人物像がスッ……と理解できる。

二人はまるで、トムとジェリー。ジグソーパズルのピース。欠けたお煎餅の片割れ。DNAレベルの巡り会う必然性。縦の糸はあなた。横の糸は俺ちゃん。

【最高の二人感】を醸し出す最高の言葉のやりとり。
こういう会話、してみた過ぎるな………。



【ヒーローになれるチャンスは、人生に4回か5回だけ。】
そんな名言が薄れるくらい下品極まりない純愛映画でした。

最近、近所のGEOがオススメ映画にポップを貼ってるんだけど、デットプールには【彼氏と一緒に観たい映画!なんでもありで笑い合えるカップルにおすすめ!】って書いてあったよ。アナルセックスシーンを笑い合えるカップルって、世田谷に何組居るんだろうね!無茶なポップ書くのやめろ~~!!